バイオグラフィー
「白木屋」シロキヤはかつて材木の関所をしていたことからついた屋号。木曽平沢は多くの漆器問屋と工房が立ち並び 漆工町として重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
約600年前から続く、木曽漆器。
木曽平沢は、日本遺産に認定されている木曽路の北の玄関口に位置。文豪島崎藤村の名著「夜明け前」の書き出し、「木曽路はすべて山の中である」で知られる通り、東西を山に挟まれた谷合に、多くの問屋や工房が軒を連ね漆工町を形成しています。木曽ヒノキに代表される豊富な森林資源、漆器に適した湿潤な気候や中山道の街道文化と相まって、産業として発展。日本有数の漆器生産地としていまに続いています。
昭和に入り、木曽平沢は「重要漆工団地」に、木曽春慶、木曽堆朱、塗分蝋色塗りは「伝統的工芸品」に指定されました。
また文化財修復事業にも早くから力を入れ、その実績は「新日本様式100選」に認定され、近年は名古屋城本丸御殿の復元にその技術が生かされています。
漆は英語で「japan」とも呼ばれます。
その歴史は古く、北海道垣ノ島遺跡で出土した漆塗りの副葬品は、約9000年前の縄文時代前期に作られたもので、世界最古。古文書「以呂波字類抄」には倭武皇子が狩りに出た際、偶然漆の木を発見。その木汁を持参品塗ったところ、美しく黒光りしたと記されています。
漆文化は日本独自の発展を遂げ、その技術が磨かれてきましたが、漆そのものの研究が始まったのはごく最近と言えます。耐薬性に優れ、防水・防腐効果、抗菌作用がある-塗料として優れた特性を持ちながら、漆の魅力を尋ねられると、うまく言葉に出来ません。硬いはずの塗膜は、触れてみるとしっとりしていてやさしい。数千年前、人々が採取した樹液を塗り、その美しさに感動したように、現代でも同じことをして、それを生業にしていることが、時折、少し奇妙で可笑しく感じます。
宮原 義宗
1981 -
2007 -
長野県塩尻市木曽平沢(旧楢川村平沢)に生まれる。
進学のため上京。帰郷後、家業の漆器製造業を継ぐ。
2008 - 2009
2009 -
2014 -
2012 - 2018
2019 -
東京 上野東照宮の修復に携わる。
以後、家業の漆器製造と平行し、文化財の修復を行う。
県宝 大町市若一王子神社 大黒町舞台。
県宝 松本市須々岐水神社 湯の原長お舟。
松本市須々岐水神社 荒町お舟。 etc
東京 大本山護国寺月光殿 床の間 床脇 書院。
名古屋城本丸御殿復元工事 漆塗り。
アメリカ ニューヨーク本願寺。
現地での空殿、須弥壇および仏具の修理・塗り直し作業。
グループ
2013 -
2017 -
宮原 正岳
1948 -
1966 -
長野県塩尻市木曽平沢(旧楢川村平沢)に生まれる。
高校卒業後、家業を継ぎ塗師に。